映画「コスタリカの奇跡」(ネタバラシしています)


もう1つのブログに書いた事を抜粋しているので、雰囲気が違う書き方になっていますが。

戦争や平和について私も思うところはあるけれど、道徳的なことを押し付けられるのは嫌だし、精神論や理想論に終始するのも好みじゃない。
だからこの映画が気になった時に、同時に警戒する自分もいた。
戦争ものに触れるときはいつもこの感じがあって、本当のところどうなのか「確かめる」ような気分で行くことが多いんだけど、今回は、コスタリカにずっと関心があって旅するつもりでもいたらしい彼にとってもツボだったようで、一緒に渋谷まで行ってきた。12日に公開されたばかり、お盆、平日、雨、混み具合よくわからなくて行ったけどほぼ満席。

コスタリカは1948年に軍隊を持たないと決めて、それを守っている国。
もちろんそれだけではすまなくてアメリカからの圧力や隣国からの攻撃だって何度もある。けれども「持たない」を決めて、ブレそうな時期や圧力に屈しそうな時もありながら、今日まで国民の幸福にフォーカスしてそれを守り続けてきた。
そんな理想的な国だけどそれは「めったにない奇跡」なのだろうか。
でもこの映画見たら、コスタリカは、とてもシンプルに当たり前のことをしているだけだという事がわかった。

一番大切なもの(国民の幸福)を守るために、静かにNOを言い続ける、地に足つけて交渉し続ける、世界を信じること、それだけだった。
「そうは言っても軍隊を持たなくて、他国が攻撃してきたらどうするの?」っていう当然生まれる疑問がある。攻撃したいわけじゃなくて、自国をいざという時に守れるようにするために軍事が必要なんだっていう考え方は、一見正しいことのようにも思える。
でも攻撃してくる相手に対して軍隊で守る事は、それは当たり前に戦争を意味するし、人が死んで、福祉や教育どころではなくなって、幸せからどんどん遠ざかるのは目に見えている。
本来の目的(国民の幸福度を上げること)を果たせなくなる。

コスタリカは、軍隊を廃止した時に軍事に当てていたお金を福祉と教育にスライドし国力をどんどん上げていく。攻撃してくる相手には、国際法で守っていた。そのために普段から多くの国を訪ね、心を尽くして繋がりを持ってきた。

そしてこれ「我が国の1年の軍事予算は、アメリカの戦闘機1台分でしかない。軍隊で国を守ろうとしても、小さな国にとってそれは全く意味がない。」

精神論でも感情論でも哲学でもなく、ただの事実。
「軍隊は良くない」じゃなくただただ「非効率だから必要がない」コスタリカにとって明確な事実があった。
この、ただの事実を明らかにして、どうしたいかを考え、軍隊を手放したんだ。
元大統領のフィゲーレス氏は哲学者ではなくて、自身も実際に武器を手に持って戦ったことがある人。それも体感した上で、たくさん考えて考えて、善悪ではなくただ国民の幸福という目的に対して軍隊は「違う」と感じて「変えた」、これだけ大きなことを丸ごと選びなおす事に、ただただすごい!っておもった。鳥肌が立った。

そういう人は「偉人」とか呼ばれて「私と違うから」で区別されやすいけど、映画を観れば心が震えたり、涙が止まらない人もたくさんいると思う。それは自分の中にも同じ気持ちがどこかにあるからなんだと思う。

考えさせられるというか、深く複雑になるのではなく、哲学的になるのでもなく、考えをとてもシンプルなところに戻してくれるような映画でした。
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