パターンの仕事
近々、おんなのこポロのお袖のアレンジをご紹介するのですが、
この写真は、その、展開図とグレーディングのラインです。
型紙としては途中段階ですが、こんな風に製図していきます。
子どもの場合、1サイズ大きいといっても、数cm、部分部分では
それぞれ数mmずつ変化しているだけなので、とても微妙で細かい作業です。
それも規則的に大きくなっていくわけではなく、ある程度基本どおりに変化していきつつ
それぞれのサイズに、それぞれの美しいラインがあり、また
他のパーツなどとの寸法やラインの関連性もあるので、
サイズごとに微調整してラインを作っていっています。

マスター(基本)パターンだけ作って、あとはCAD(コンピュータ)に
それぞれの数値を入力したら、全サイズグレーディングが一瞬で出来るという、
そんなグレーディングの方法が、アパレルではもちろん既に一般的ですが、
(私が勤めていた会社では、会社の中にグレーディング専門の小さな会社が
存在していました。)
一般の人でも、サイズ補正を頼めるような会社が存在するそうです。
(もう1サイズ型紙を購入した方が断然お安いですが。)

小さな小さなアパレルの会社などでも、パタンナーを置かず、
マスターからグレーディング、全て外注というところもあります。

パタンナーは、デザイナーがイメージするものを形にするのが基本的な仕事ですが
デザイナーがどういうものをイメージしているか、それを読み取り、
そんな抽象的なものを、イメージどおりの形にしていかなくてはいけません。
それもラインが数mm違えば印象も変わるので、小手先ではどうにもならず
しっかりしたセンスと感性が、ある意味技術以上に必要です。
会社にいた時、デザイナーは感性を磨くために、美術館へ行ったり、映画を見たり、
仕事の中でそういう時間をもてたのですが、パタンナーにこそ
そういう、感性を磨くための時間が、必要だという気がします。

有名なデザイナーであるゴルチェやミュグレーはパターンの知識がなく、
優れたパタンナーと組んで、自分のイメージを形に出来たと聞きますし、
山本耀司(Yoji Yamamoto)はパタンナーにデザイン画を渡さず、
素材を渡して「これを形にして」という指示をして、そこから
形を作っていったというようなこともあるそうです。

そんな、イメージ的にはデザインの陰に隠れてしまいやすいパタンナーの仕事を形にし、
商品とし、販売していけることも、幸せだと思っています。

パターンの仕事_d0012237_2231561.jpg



Top▲ | by polka-drops | 2007-09-19 22:46 | ソーイング
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